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恋は自分で切り開くしかない [彼女を作ろう]

【前回までのあらすじ】出会い無いからせめて奇麗な女性がいるレジに並ぼう…という、ささやかな努力から芽生えた恋愛のチャンス。その女の子が、自分の働いてる店にも来てくれる様になった。しかし何かと理由をつけて話しかける事が出来ず。10回ぐらいチャンスを逃して、ついに彼女は来なくなった。今度はこっちから彼女の店に通おうとするが、なかなか話しかける勇気が持てないまま一ヶ月が過ぎた…。

 
なにか攻撃をしかけなければ!
このままだとただの不審者になってしまう!色々無い知恵を振り絞った。しかしどうやって話しかければ良いのだ?まったく頭が働かない!唐突にケータイのアドレスを書いたメモを渡すか?それだと彼女がメールしてくれなかった時に終了となってしまう。それは愚作であろう。道というのは自分で切り開かなきゃダメなんだ。

必死に頭をフル回転させて思いついた会話パターンは、「ここ以外でも働いてるんですか?」→(相手のYes or Noあるいは沈黙)→「いや、別の場所でも見かけたので」というものだ。

彼女がウチの店に来る時間帯は大体パターン化していたのだが、その時間は、彼女の退勤時間に遭遇した時と一致しない。よって、なにか他所でも働いているか、あるいは通っているかという事が考えられる。ここを膨らませるのだ。

『よく来る店(4週3回の実績)のレジの女の子を他で見かけた』、話題を振るための素材としては、かなり自然である。ちなみに「この見かけた」という会話をしたいがためのエクスキューズに対して、彼女が口ごもって何も答えてくれなければ終了になる。答えてくれれば、とりあえず次の作戦に移る事は出来る。

さて、彼女の店の前にやってきた。段々怖じ気づいて来る。
その日は、個人的事情から割と過密スケジュールで、他にも色々とやらなきゃいけない案件を抱えていた。しんどい。声かけるのは何も今日で無くてもいいじゃないか、来週でも大丈夫さと、そう思えて来た。しかし何度も失敗して来た俺は知っている。それがただの弱気であるという事が。

恋愛はタイミングである。
1巻から始まって、お互い脈アリアリなのに、40巻ぐらいで恋愛が成り立つ。そんなラブコメ漫画みたいな長持ち恋は、現実にはあまり無い。お互いの熱が冷めないうちに、やるべきことをやらなくてはダメなのだ。

気合いを入れ直して入店、彼女のレジへ。
「こんにちわ」と挨拶すると、彼女からも笑顔で「こんにちわ」と返って来た。ウォームアップ的な、軽いジャブである。良い流れだ。財布からお金を取り出すときに多少の間がある。その間を使って作戦を実行した。

「あのう、ひょっとして他でも働いてますか?」
「え?」
(注;親しい仲でも急に会話を振ると第一声が聞き取れない事が多い)

「ひょっとして他でも働いてますか?」
「ああ!○○で働いてますよ。」

「たまに別の場所で見かけてたので。」
「お客さんも××で働いてますよね?やっぱりそうなのかなーって。」

「ははは、またいらして下さい。」
「ありがとうございます!」

店を退出。
…やりきった!パーフェクトな流れだ!!これで関係は知人レベルになった。次にどこで再会しても世間話をするぐらいの資格が出来た。久々にデートぐらいにまではこぎつけられるだろうか。がんばろう。

つづく。

 
『恋愛タタミスイレンLite』ではこの模様を速報でお伝えしています。
http://1up1up1up.blog.so-net.ne.jp/
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